よくある質問
1. アプリ全体
2. 持ち上げ
- どんな評価法か:米国の労働安全衛生研究所(NIOSH)の持ち上げ式(NLE)およびISO 11228-1(JIS Z8505-1)の持ち上げ式(ISO)による評価です。
- 荷物質量の適用範囲は:JIS/ISOでは、3kg以上の質量の荷物取扱いが対象です。NLEには荷物質量の制限はないので、3kg未満も適応可能です。ただし軽い物の取扱いは、ピッキングや組み立ての作業で見られるように上肢のみを使ったより高頻度の作業になりやすいので、別な評価法(ACGIHのHALやRSI)のほうが適切に評価できます。
- 「手法・参照質量LC/Mref」の選び方:一般の男女混成の作業者でJIS/ISOに従うならISO・25kg、女性や高齢者が主な作業者ならISO・15kgがおすすめです(JIS 表B.1, 表B.2より)。
- 1日に1回しか持ち上げしない作業にも適用できるか:はい. 本法では毎分0.1回未満の作業は頻度乗数FMが同じ値になるので上限の値も同じになりますが適用は可能です。
- 「始点」と「終点」の意味と使い分け:荷物を持ち上げる最初の点が始点、持ち上げて運んで置く点が終点です。始点と終点の垂直位置は、いずれが上でも下でも同じでもかまいません(下から上に持ち上げるなら始点が上で終点が下、上から下に持ち下げるなら始点が下で終点が上の垂直位置になる)。本評価では、基本的に始点でのLIと上限で評価します。ただし、終点で位置決めをしたり嵌め合わせをしたりするためにある程度の時間荷物を保持する必要がある場合は、始点と終点の両方でLIと上限を計算し、高いほうのLI(つまり低いほうの上限)を採用します。
- キャプチャ画面と入力画面に表示される上限・LIが一致しないのはなぜか:キャプチャ画面で表示される上限とLIは、水平距離H・垂直位置V・非対称角Aが始点と終点で同じであり、さらにデフォルトでは持ちやすさCを「不良」と想定して求めた値です。正確には入力画面で表示されている通り、始点と終点の両方でそれぞれの値を入力して上限・LIを計算する必要があります。しかしキャプチャの時点では、始点・終点が必ずしも区別して指定できないのでこのようにしています。持ちやすさCを「不良」としているのは、VLIにならったためです。
- 持ち上げでどのようなシーンを撮影すべきか:持ち上げでは本来、始点と終点の両方をキャプチャすべきです。ただし評価に利用されるのは、位置決めなしなら始点のみ、位置決めありなら始点と終点のうちで上限が小さくなる側のみです。そのため簡易的には、手の高さが腰より低いあるいは肩より高い、あるいは手の水平距離が遠い、あるいは体のひねりが強いほうの始点または終点のいずれか一方のみをキャプチャするのでもかまいません。
- 積み上げた荷物を扱う場合で始点や終点の高さが作業に応じて変わる場合の取扱い:簡単に済ませるには、最も良くない作業条件(荷物がいちばん低い位置や高い位置あるいは遠い位置にあるなど)で計算します。荷物の高さが違うタスクを複数のタスクであるとみなせば、複数タスク評価(CLIやVLI)が適用できます(各タスクの頻度は、分割したタスクに応じた値を使います)。
3. 運搬
- どんな評価法か:ISO 11228-1(JIS Z8505-1)の運搬による評価法です。
- 荷物質量の適用範囲は:3kg以上の質量の運搬が対象です。
- 「参照質量Mref」の選び方:持ち上げと同じで、基本は25kg、女性や高齢者に配慮するなら15kgです。
- 1日に1回しか行わない運搬にも適用できるか:はい. 頻度の最小値は1/480回/分(8時間に1回)です。
- 運搬の前後の持ち上げや持ち下げの扱い:本法の「運搬」は、0.75~1.1mの高さ範囲(0.75mは立位で腕を垂らした時の手の握りの高さ、1.1mは立位で腕を垂らした時の肘と肩の間の高さ)に置かれている荷物を取ってから歩いて運び、そのあと同じ0.75~1.1mの高さ範囲に置くというプロセスを繰り返します。この高さ範囲より低いあるいは高い位置にある荷物を取って運んだり置いたりする場合は、前後の持ち上げや持ち下げを別途「持ち上げ」の方法で評価することになります。
- 運搬作業時間あたりの累積運搬質量:ISO (JIS)では、運搬作業時間あたりの累積運搬質量が離散的に与えられています(表5)。本アプリでは前後の運搬作業時間の値から線形補間で累積運搬質量を求めて使用していますが、通常の現場では作業時間は時間単位の設定で十分と思われます。
4. 押し引き
- どんな評価法か:Liberty-Mutualの押し引きの評価式による方法です。
- 荷物質量の適用範囲:特にありません。
- 1日に1回しか行わない運搬にも適用できるか:はい. 頻度の最小値は1/480回/分(8時間に1回)です。
- 本法には「持ち上げ」や「運搬」にあった荷物の持ちやすさや体のひねりや荷物の不安定さといった要因が考慮されていないが、どう評価すべきか:本法では荷物や作業場所の状態は理想的であると想定されています。そうでない場合は、それなりに配慮が必要です。これについては、他の押し引き評価法(たとえばISO 11228-2の押し引きやHSEのRAPP)を参照ください。
5.キャプチャでの骨格検出による姿勢推定
- どんな方法か:骨格検出には、GoogleのBlazePoseという機械学習を用いた3次元骨格検出モデルを利用しています.深度情報は使わないタイプです.できるだけ軽く動かすためにliteモデルを使用しています.フレームレートは、速いCPUなら20Hz以上でコマ落ちなしでキャプチャできますが、遅いCPUだと1秒に1フレームでしかキャプチャできないこともあります。カメラや動画での表示時はキャプチャに時間遅れがあるように見えますが、保存データではフレームごとに骨格検出して保存するので見た目より遅れは小さくなります。
- 動画ファイルの処理:動画ファイルの長さは、せいぜい1分程度にしてください。長い時間の動画はメモリ不足になって処理できません。持ち上げの際の始点・終点の自動解析も、持ち上げのあいだに様々な別な作業動作が入ると適切に行われません。
- 長さや高さの実寸への変換法:BlazePoseで得られる3次元座標データは、左右股関節中心を原点(0,0,0)とした3軸成分のレンジが±1の相対値です。そのため、本アプリでは、身長を1.65 m(成人男女の平均身長)とみなして実寸に変換しています。なお、持ち上げの水平距離が0.63 mを超える場合は0.63 m、垂直位置が1.75 mを超える場合は1.75 mにそれぞれ制限しています。
- 物や人の体による隠蔽への対応:荷物取扱い作業では、作業場の物や荷物で体がよく隠れます。本法で使用したBlazePoseでは、下肢がすべて隠れるとしゃがみこんだような姿勢がキャプチャされます。荷物取扱いでは主に立った姿勢で作業することが多いため、デフォルトでは、下肢のデータの信頼性がない場合は立位姿勢に自動修正した姿勢で評価しています。横向きの姿勢でカメラから見えない側の上肢や下肢は、見える側に近い肢位が生成される傾向はあるようです.
- 持ち上げの非対称角の制限:荷物取扱い作業では足元か隠れることが多く、正確な非対称角の記録は困難です。そのため本アプリでは、原法に従った計算をしたうえで、非対称角が最大15度程度になるように制限しています。また、腕が真下あるいは真上に近くなると非対称角は計算できなくなるので、0度に近くなるように調整しています.
- 片手作業は左右どちらが選定されているのか:片手作業で左右いずれかを指定するのは困難なので、体から遠い側の手で荷物を持っていると想定しています.
- 姿勢の自動補正を外す方法:「姿勢補正」のチェックを外し、「カメラ角固定」にチェックを入れて角度を0度にすると、未補正の姿勢になります。
6.ブラウザ
- キャプチャや入力での「全保存」を忘れずに:本アプリのデフォルトでは、キャプチャで「記録」した際には画像ファイル(拡張子png)のみがダウンロード保存され、姿勢データ等の入ったタスクファイル(拡張子txt)は保存されません。タスクファイルは、最後に必ず「全保存」してタスクファイルを保存してください。入力での「記録」も同様で、最後の「全保存」でタスクファイルを保存してください。
- ブラウザを放置していると表示していた値が消えることがある:ブラウザには定期的に表示を更新して最新に保つ機能(自動リロード)があります。本アプリはユーザがリロードを指定した場合(アプリからメインメニューに戻る時やアプリを終了あるいは更新する時)は、事前に警告を出すようにしています。ただし警告なくリロードされる場合もあります。特にキャプチャや入力で「記録」だけして「全保存」していないまま放置したり、解析で複数ファイルを読み込んで「全保存」せずに放置したりしていると、自動リロードでデータが消えることがあります。適宜「全保存」をするようにお願いします。
- データの上書き保存:本アプリでの保存ファイル名は、年月日・時分秒で自動生成したものに限定されているので、同名ファイルへの上書き保存はできません。
- 表示サイズの調整:PCは、[ctrl]+マウスホイールで拡大縮小が可能と思います。スマホやタブレットでは右上の点3つのメインメニューの「ズーム」で調整ください。ズームが表示されていない場合は、メインメニューの「設定」→「ユーザー補助機能」で、「メインメニューにズームオプションを表示する」と「強制的にズームを有効にする」をオンにすると、以後メインメニューに「ズーム」が表示されます。
- 本体の回転とカメラ画像の回転:スマホやタブレットでカメラキャプチャ中に本体を回転した場合、Cromeでは本体の方向に応じてカメラの縦横比と上下方向が自動変更されます(加速度センサデータが参照されている様子)。Firefoxでは、カメラの上下方向が自動的に切り替わらず、うまくキャプチャできないようです。
- FirefoxのGPU使用:Firefoxでは、ブラウザのGPU使用をオフにしたほうが動画のキャプチャ速度が上がることがあります。ただしその状態で動画のフレームをマウスドラッグで操作すると、動画がなめらかには動かなくなります。Cromeでは、GPU使用をオフにしてはいけません(骨格検出が作動しなくなります)。
- Safariの制限:Safariは、1回のタップやマウス操作につき1つのファイルしか保存できません.そのため、複数の画像ファイルの一括保存が必要な動画の集計ができません。